おばちゃん言語聴覚士のボケ予防日記

脳機能、認知症予防について興味津々なおばちゃん言語聴覚士です。急性期脳外科、通所リハビリを兼務してます。まだまだ勉強中の身ですが、一般向け、同業者向けの記事、育児、家事も書くかも。コメント大歓迎です☆

フルタイム共働きで、祖父母の手を借りずに、子供3人を育てていけるか。

フルタイムで子育てと家事もする。
自分たち夫婦にできるのか?
私は子供が小さい時に情報を探しましたがあまりなく、具体的なイメージがわかなくて困っていました。
最近は女性も定年、またはそれ以上働く方が増えてきて、孫の世話までできない祖父母が多いですよね。
祖父母の手を借りない前提で、家事や子供の世話や送迎をこなすことができるか、心配な方が多いんじゃないでしょうか?

家族計画を考えてる方、出産後も仕事を続けようか悩んでいる方、子供が2人いるけど、3人目を悩んでいる方、祖父母の近くに住むか悩んでいる方、
そんな方の参考になれば幸いです。


私はというと正直けっこうしんどいです(+_+)
ですが第三子が大きくなれば楽になると思って、今を乗り切ろうと頑張ってます!


主人はというと、平日にたまに子供を風呂に入れる程度、私が出勤の土日に1番上の子の子守をする程度で家事はほぼ何もしません。
つまりワンオペに近い状態です。
それでもなんとかなってるので、参考になればと思います。

祖父母にも普段は全く手を借りてません。
年末年始やお盆は私が出勤のため、主人が子連れで
実家に帰って3日間ほど世話になる程度です。



一昔前はあり得なかったと思います。
ですが、私達みたいな夫婦は増えてきており、時代は急速に変わってきているように思います。


私が第一子を産んだ約7年前は、働く女性が増えてはいたものの、まだ幼稚園に行く子供の方が多かったか、同じくらいだったように思います。

働くにしても祖父母の近くに住む、または同居で、送迎を時々またはいつも祖父母に頼むというのが大多数でした。

何も考えてない私達夫婦は、まぁやっていけるだろうと甘く考え(職場内託児所があったので)、近い方の祖父母の家からも車で40分かかる場所に家を建ててしまったのでした。

職場の同僚からは、祖父母なしではやっていけないとも言われました。
たまたま地方の新聞に、祖父母なしの核家族で夫婦共働きは、子育て世帯の5%という記事が出ていました。この5%の中には、近所に祖父母がいる家庭も含まれている訳ですから、自分たちは非常に少数派だったのでした。

それが、7年で時代は大きく変わりました。
朝早く保育園に来て、6時を過ぎて帰るのは少数でしたが、現在ではかなり増えてきたように思います。
周りの話を聞いただけですが、小さいクラスを中心に祖父母の手を借りない核家族フルタイムが増えてきているようなのです。

時代って変わるもんなんですね〜

そして、勤務時間も私の周りでは変わりつつあります。
7年前は残業は当たり前。子供を職場内託児所に預けて8時まで残っていたこともありました。
それが最近では、仕事量は増えたのに、みんな定時後30分以内に帰るようになったのです。

ほぼ定時で帰らないと、フルタイムでは厳しいです。
特に保育園と学童のダブルお迎えになった場合、残業してたら、延長保育を使っても園や学童の終了時間までに間に合わないことも。

さて、ここで非常に大事になるのが、家〜園〜職場の距離、または移動にかかる時間です。


【第一の壁:保育園、学童の送迎】

片道の移動は30分以内にしないとキツイです。
園の中でグズる子供をあやして別れたり、帰りは荷物をまとめたりするので、15分滞在することもあります。
私の場合は車ですが
家→園 15分 
園→職場 15分

帰りは
職場→園 15分
園→学童 10分
学童→家 10分

ですが、これ以上移動時間が増えたらもうやっていけません。
学童は6時半に閉まるので、それに間に合わなくなるのです。
駐車場から歩く時間や園や学童での滞在時間もあるので、結局家を出てから出勤まで40〜50分、帰りも退勤から家に到着するまでそのくらいかかってます。
私は職場も保育園も比較的近くて恵まれていますが、それでもこんなにかかってしまいます。


学童や園の最終時間も場所によって違うので、長く開いているかがとても重要です。

保育園や学童の入所を考える場合、そこまでの距離、終了時間をよく調べ、自分の終業時間から間に合うのか計算が必要です。

フルタイムでも休憩が何時間もあるような(クリニックなどの)拘束時間の長い勤務だと、一人で送りと迎え両方するのは無理ですね。



【第二の壁:家事がまわるか】

子供たちが保育園だけ、もしくは学校だけ、の場合はなんとか回せます。

しかし保育園と学童になってくると無理があります。一部を犠牲にしなければなりません。

小学校低学年の子供と保育園児がいる場合が、最も時間に余裕がありません。
園児は帰ってから特にすることがありませんが、小学生は明日の学校の準備やら宿題やらで30分近く付き合わないといけないことも。
また小学校からの配布物が非常に多く、緊急性のあるものとないものに仕分けるだけでも時間をとられます。
うちの子が通う学童の場合、宿題はプリントなどに書くものは学童で済ませてもらえます。
しかし本読みや計算カードなどは保護者とやらなければなりません。
夕食の支度をしてる最中に、すんなり取り組んでくれれば助かるのですが、そう簡単にはいきません。

夕食なんてまともに作れません。
まともに作らない覚悟も必要です。
または、深夜や早朝、休日に作り置きをするという努力が必要です。
初めは作り置きしようと決心してもなかなか長続きしません。
なるべく添加物の少ないレトルトなどを使う、そのまま食べられるミニトマトや冷凍枝豆や冷奴を多様するなど工夫も必要です。
うちは上が小学生になってからは、生協の個配を利用してます。少々料金が高いものもありますが、今のところ美味しい物も多いし便利でとても助かってます。塩分の高い商品も多いのが残念ですが(ToT)少し前に比べると、値段もお手頃なものが増えてきたと思います。

そんなこんなで夕食は7時。
食べ終わり次第、バタバタとお風呂へ。
そして9時までに寝ることを目標に、歯磨き、ドライヤーなどを順番にしていきます。
あ、自分のことは二の次ですね。
シャンプー後、トリートメントができずに風呂からあがることもありますし、
化粧水などを付ける時間もありませんので、オールインワンジェルなどを適当に塗る程度です。
たまに、小1のお姉ちゃんに、下の子たちをシャワーに連れて行ってシャンプーもしてもらうこともあります。
綺麗に洗えてなくても、時間がないのでしょうがないです。



また、フルタイム共働きで子育て中の場合、家電をフル活用することは必須条件です。

洗濯乾燥機でほぼ全て乾燥までやってしまいます。
主人の作業着などしわになりやすくて、シワになると困るものは洗濯が終わり次第室内干しです。
1日に2回洗濯〜乾燥まで回すこともしばしば。
乾燥までやると4時間近くかかりますから、1日に合計8時間近く洗濯機が稼働してるってことですね。
これ、うちは安い深夜電力でやってるから、そこまで電気代がかさみませんが、安い電力帯がない場合は電気代がきついかもしれません。

もう一つ、食器洗い乾燥機。これも必需品です。
食洗機はつけなくてもいいかな、と悩みながら結局ビルドインしましたが、本当につけて良かったです。
子供たちがが小さいうちは全部手洗いして、食洗機で乾燥だけやってました。
しかし、子供たちがが大きくなり皿の量が増えると、出勤前や就寝前の貴重な時間に手洗いなんてしてると時間の無駄と感じるようになりました。
休みの日は朝昼晩と3回食洗機様のお世話になっております。
もちろん、それでも鍋など手洗いする物はたくさんあります。

また浄水器も家を建てるときにビルドインしたんですが、とても助かってます。
お茶をわかす時間なんてないので、家族みんな浄水器の水道からコップにそのまま水を入れて飲みます。
職場や学校に持って行く水筒にも水を入れていくので、洗うのも楽です。

あとうちは部屋が汚すぎてルンバはないんですが、子供が大きくなったら導入を検討します。


部屋の片付けなんて諦めた方がいいです。
翌日にはめちゃくちゃですから。
また収納だって見た目を良くなんてできません。
特にキッチンは見える収納、すぐ出し入れできる収納の方が効率的です。


夫婦どちらかがショートスリーパーで、睡眠時間が数時間でも大丈夫で健康な人なら、家電に頼らなくても睡眠時間を削って家事をすれば大丈夫でしょうが。

私なんか毎日8時間寝てます。
休みの前の日は9時間寝ます。
それでもなんとかなってます。
(いや、なんとかなっていないのかも。)
睡眠時間を削って体調を崩したら大変ですからね。
睡眠は1番大事にしてます。

でも正直、ロングスリーパーで低血圧だとかなりしんどいです。
私は8時間(しかもぐっすり寝てると思う)寝てるのに、朝布団から出るまでに30分かかります。
本当は9時間寝たい(泣)
6時間睡眠の人に比べて1日が2時間も短いのは不利です。
2時間あったら、どれだけ家事ができることか。
実は布団から出られないので、目覚ましを止めたあと、起き上がれるようになるまでの時間で、このブログの記事を少しずつ書いていってます。
ブルーライトで目を覚まそう作戦。
夜は子供より早く寝るので、スマホはまず見ませんね。



【第三の壁:休日】
保育園や学童の休みもあります。
夫婦ともに土日祝日が休みにくい仕事であれば、預け先が無いので無理です。
うちは主人が基本カレンダー通り、私がカレンダー関係ないシフト制です。
学童や保育園の休みの日は基本は主人が休みなので、主人に子供を見てもらいます。
(下の子たちは職場内託児所)
でも夫婦ともにカレンダー通りで平日の休みがとりにくければ?
それも、厳しいのです。
園や学校の行事が意外と平日に多い。
それを諦めたとしても、いずれ1度は必ず回ってくる役員があります。
役員会は時代の流れとともに土日に開催されることが多くなっていますが、私の地域は基本的には平日です。
そして、仕事があるのはみなさん同じなので、仕事を理由に役員にならない、役員会に来ないということはできないことになっています。

そして、子供が小さいうちによくある発熱。
熱が出たときにすぐに帰れるか。
急に数日間休めるか、
これが最も重要かもしれませんね。
月曜日にインフルエンザになったら金曜まで登園登校禁止です。


最近はファミリーサポートもありますね。
うちは利用してません。
どんな人かよくわからない他人に、たまに子供を預ける、家事を頼むのは気が進みません。
頻回に利用するなら、信頼関係も築けるので良いと思います。
私も送迎や夕食で利用したいのですが、利用料金が高く頻回には使えません。
それより近所にママ友を作って、どうしても、という時だけ何かを頼む、という方が現実的です。

あとは病児保育。近隣にあれば便利ですね。
インフルエンザは約5日間登園登校禁止ですが後ろ3日はけっこう元気なので利用したいです。
うちは近隣にないので利用できないので、主人と交代で休みをとります。
最近は学級閉鎖にもすぐなりますからね(泣)

また大雨警報や暴風警報でも学校が休みになるので、家で子供を見ないといけません。
最近は災害の影響もあり、簡単に警報が出てしまいます。
1年生にもなると、子供にもよりますが半日くらいは家で留守番もできるので、半日は出勤する、というのも手ですね。



【そんなこんなで結局、共働きフルタイム夫婦が祖父母の手を借りずに子育てできるのか】

その答えは、
1,夫か妻が必ずほぼ定時で帰れ送迎できる
2,お互い、またはどちらかが休みを調節しやすい
3,家事、育児を完璧にこなさない覚悟がある
4,洗濯乾燥機(と食洗機と浄水器)がある
5,夫も育児、家事に協力的

これらをクリアすればやっていけるかな?と思います。5番はうちは微妙だが…。


個人的な意見ですし、地域差も大きいですから参考までに。

おくすりのめたね、らくらく服薬ゼリーは意味がある?

子供向けの「おくすりのめたね」、成人向けの「らくらく服薬ゼリー」、どちらも龍角散から発売されています。

この間軽〜中等度嚥下障害の方が、らくらく服薬ゼリーを持って来られていたので介助で使ってみました。

その方はパーキンソン病で頸部の固縮がある方で、咽頭へ送り込むために上を向くことができません。
普段はとろみ無しの普通食です。

錠剤が飲みにくくなったということで、服薬ゼリーを使ってみる、と通所リハビリに持って来られました。

結果、全然ダメでした。
食塊形成に障害があるため、ゼリーだけ嚥下してしまい、錠剤が口腔内前方に残ったままになってしまいます。
何度も服薬ゼリーを取り込みさせても同様。
スプーンで錠剤とゼリーを咽頭へ何度も押し込むうちになんとか飲めましたが、たった2粒の嚥下のために多量に服薬ゼリーを使ってしまったのでした。

ちなみに、とろみ茶で錠剤を飲んでもほとんど同じ。
それどころか、濃いとろみ茶の方が、ベタッと錠剤にまとわりつくので、服薬ゼリーよりも少し嚥下が速かったです。
まぁでも食塊形成と送り込みに障害があるし、普段はとろみ茶を飲まれてないので、今後は薬を粉末にしてもらうようお願いすることになりました。


メーカーホームページでは、服薬ゼリーについてこう記載されています。
「薬がつるんとまとめて飲める。」
流動性がなく、粘着質のゼリーだとのどに張りつきやすくなり、 かえって誤嚥の危険性が高まりかねません。」
「下記の実験では、トレーを斜めにすると、「らくらく服薬ゼリー」だけが、 薬を包んだまま、流れることがわかります」
「胃に届いた瞬間に分散します」

粘着質のゼリーやトロミの方が、薬をまとめる力はあると思うのですが…流動性は低くなるので、嚥下にやや筋力が必要です。
流動性のあるこの服薬ゼリーの方が、自覚として飲み込みやすい、と感じやすいのでしょう。
健常者で、錠剤を飲むのが苦手な方にはちょうど良いかもしれません。
しかし、何粒もまとめて飲めると記載されてますが、元々1粒しか飲めない人が、これで何粒も飲めるようになるとは考えにくいです。

今回の症例のように食塊形成、移送に障害がある方は不向きです。口腔内で既にバラけるので。
むしろ粘着性の高い濃いトロミの方が良いかも。


1番疑問なのは、なぜ胃に到達するまで薬を包み込んでいて、胃に到達した途端にバラけるのか?
その根拠は書かれていません。

ここで、らくらく服薬ゼリーの成分表示です。
【原材料】
エリスリトール、寒天、甘味料(ソルビトールステビア)、ゲル化剤(増粘多糖類)、酸味料、乳酸カルシウム、香料、クチナシ色素


市販の寒天ゼリーと、ゼラチンゼリーの合の子のような感じでしょうか…。


ちなみに健常児のお子様にとっては「おくすりのめたね」はオススメできますね。
粉薬が苦手なお子様、錠剤に挑戦したいお子様には、ゼリーの美味しさで服薬しやすくなるのではないのでしょうか?
薬局でも、薬と、ジュースやヨーグルト、アイスなどの相性を教えてくれるので、それを使ってみるのもいいですよ。

私が学生の時に教わった構音訓練は、主には口腔体操と音読だけだった。

私が言語聴覚士養成校に通っていた時はまだ、資格ができて15年くらいしか経っていなかった。
それもあってか、講義で教えてもらえる内容が一部物足りなかった。
特に構音、嚥下の訓練法に関しては全然物足りなかった。
教えてもらった訓練法だけで、患者様の障害が治ると思えなかった。

学校は言語聴覚士養成校の中では名のしれた大学で、有名な教授もたくさんいた。
だけど学問と実技はやっぱり違うのかな、と思うところがある。
構音障害担当だった教授が書いた教科書を買わされたけど、内容が間違っていると思える所もあったし、全く参考にならなかったので、他の大学の先生が書かれた本を買って参考にしていた。

学校だけでなく、実習に出てからも愕然とした。
実習地は「リハビリテーション病院」と名の付く病院だった。
失語のリハビリはとても参考になった。
しかし、やはり構音、嚥下はそれだけ?と唖然とした。
構音障害の場合、簡単な口腔体操ひととおり、ディアドコ、音読。
基本的にはこれだけだった。
若い方には舌の抵抗訓練や、ブローイングもしていた。
バイザーは、今や失語症では論文をいくつも出して地方で名が通り、県士会の副理事長にまで上り詰めた方だけど、
当時、「構音障害は喋らせとけば治る」と言っていたくらいだった。
今思えば信じられないけど、当時はそれを信じていて、構音障害でもフリートークをたくさんしていた。
お恥ずかしい。

そのまま実習地で就職したため、失語症高次脳機能障害のリハビリは経験値を積めたと思う。
構音障害の経験値はまるで積めていなかった。

それから3年たち、急性期に転職した。
急性期は構音が最も多い。
こんなんではダメだ!
若くて歩ける構音障害が多いことに焦りを感じていた。

PT、OTの実習生にやってた勉強会に一緒に参加させてもらって、基本は筋肉だということを学んでいった。
痙性、拘縮、固縮等の違い、リハビリにおける考え方、
特に随意性、自動介助運動についてはとても参考になり、私の訓練の考え方の基礎となった。 
その頃既に、STになり4年が経過していた。
勉強すればするほど、今までの患者様に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

フリートークと口腔体操とディアドコと音読中心だったレベルの低い訓練から、経験年数約8年にしてやっと、構音障害の訓練を1時間、フリートークなしでがっつりできるようになってきた。

でもまだまだ勉強不足。
もっと勉強すれば、今までの自分のリハはなんだったんだろう、と思う時が来る。その繰り返し。



そして、養成校も進歩してきているらしい。
それぞれの病院や施設でもレベルアップしてるんだろうな。
私がいたリハ病院でも。

それに嚥下の場合は、開口訓練なども嚥下訓練一覧に掲載されるようになって、訓練方法が増えている。

なんと今回新人が入ってきて、そこそこ訓練ができることに驚いた。
私が今まで独学で勉強してきたことを、学校や実習で教えてもらっているようなのだ。
さすがに随意性、自動介助運動の意味は教わってないみたいだけど。

わたしは自分で訓練を考える癖がついたのは良かったのかもしれないけれど、
ちょっと今の学生が羨ましいな。

でもそうやって、日本の言語聴覚士のレベルが底上げされて、経験年数を問わずみんなでレベルアップしているのかな。

スピリハの中に、向上を心がける事をやめた瞬間から堕落が始まる、だったっけ?まさにその通りだと思う。
退職するまで勉強だな。

STも需要に供給が追いついてきた

私がSTになった頃は、言語聴覚士資格ができてまだ約10年でした。
まだまだ世間ではSTは不足していました。

人気の病院を除いて、多くの病院、施設でSTを募集してるのに、見学や応募すら来ない。という状況でした。

私も就職には全く困らず、就職氷河期なのに、こんなに簡単に就職できるなんて!と思ってました。
新卒で入職したのは「リハビリテーション病院」と名の付く市内ではリハビリテーション科の規模として最も大きい病院でした。
PTOTはかなり高い倍率でしたが、私は実習地であったことから1倍でした。
3年後に現在の急性期病院に転職しましたがそれも、ずっと募集をかけてたのに誰も来てくれない、と歓迎されました。

しかし現在では急性期病院は最も人気です。
なんと募集をかけてないのに、応募の問い合わせが来てしまうこともありました。

私は本当に恵まれていたのですが、
STウェルカム時代はもう終わりました。
殆どどこもSTは埋まってきました。
待遇の悪い小児分野で常に募集が出ている状況です。(すぐ辞めるんでしょうね)

STの養成校がない都道府県では、まだSTが足りないかもしれませんが、
地元に養成校があれば、その周りは埋まってきている状態です。
また地方の古い小さい内科の病院で、嚥下訓練をしてくれるSTを募集してる所もありますが、一人職場ということもあり、なかなか応募が無いようです。
また特養などの施設でもSTを募集してるところとありますが、就職後に嚥下訓練だけでなくPTOTがするような関節可動域訓練をやってるSTもいるみたいです。
(リハビリ職は業務独占でないので可能です)

病院、施設に務めるSTが、何らかの事情で辞める時に、穴埋めで募集が出ていますが新規ではなかなか出ない状況となっています。


養成校のアピールで、STはまだまだ不足!と謳っている所もありますが、鵜呑みにしない方が良いです。

STと、PTOTを比べるのは難しいですが、
おそらくまだSTの方が就職しやすいかな?と思います。
しかしこれからPTOTのようにSTも溢れてくる可能性が高いです。

ですがSTは、一般企業よりは就職しやすいことは事実だと思います。
しかし一般企業よりも昇給は少ないです。
待遇面と自分がしたい仕事を鑑みて、職業を選ぶ事が大切です。



結論から言うと、需要に供給が追いついてきつつありますが、場所を問わなければ、まだ就職先はあります。
希望の病院、施設に就職できなくても、そこで積める経験を積み、周りの病院や施設のSTとのネットワーク作りに励み、転職の機会をうかがい続けることで、いつかは希望の病院、施設に就職できるでしょう。
自分の希望がわからなくても、業務に打ち込んでいくうちに、そこでのやりがい、また本当に自分がしたいことが徐々に見えてくるでしょう。

モンペならぬモンスターファミリーが増えてきているように思う。。そして「リハビリで治してもらう」発言について

モンペとは、以下ウィキペディアより。

モンスターペアレント、またはモンスターペアレンツとは、学校などに対して自己中心的かつ理不尽な要求をする親を意味する。元小学校教諭の向山洋一命名したと称する。略してモンペア、モンペともいう。

だそうだが、病院でもモンペみたいな家族に出会う事が増えたように思う。
モンペ世代が介護世代へ突入か?
モンペならぬモンスターファミリー、つまりモンファとでも呼ぶべきか。


昨日は、通リハに通う利用者の妹から、一方的にこんな事を言われた。
しかも初対面でいきなり。

・書く練習とか意味がない。
・生活の中で曜日や時間を間違えるのが問題だからそこを治してほしい。生活に関係ない言葉を練習しても意味がない。
・家で使える曜日などのコミュニケーションカードを作ってほしい。
・外出先で知らない人に間違った言葉を話してるので、外出先で使えるカード、または私は言葉の障害があります、と書いたカードを作ってほしい。
・あなたは失語症を治すことが仕事
・前の病院で外来リハを受けていたけど、1年ごとに練習内容が一巡してまた戻る。それは成果が出てない。


…開いた口が塞がりませんでした。
てか前の病院の話やこ関係ないがな。

とりあえず、何故現在のリハビリをしているかを丁寧に説明しました。曜日や時間だけ練習してもダメな理由も。
そうしたら、「神経内科の先生から、ブローカとウェルニッケの両方の症状が出るところに脳梗塞ができてるっていう話は聞いたんですよね。」

…うーん。話が通じない。あえて話をそらしてるのか、真剣にそんな返答をしているのか?
「は?あなたが言語リハビリ受けたら?」
って言いたくなる口を我慢して閉じて、「コミュニケーションカードに関しては検討させていただきます。」と微笑んで、その場をあとにしました。


ついこないだも、退院したばかりの患者の娘から、私に対してではなく病院全体のクレームを次々と怒り口調で言われました。そして、「とにかくこちらで言語リハビリを外来でできるようにお願いします。失語症を治してもらわないと困る」と。
いやいや、あなたの父親はリハビリには非協力的で、間違えると怒鳴り散らしたり、リハビリ自体拒否をしたりすると、入院中に話したでしょう?
そのような状態で外来リハなんて無理でしょう、と思いながらも、「はい。リハビリの日程は後ほど相談しましょう。先程の話は病院内全体で共有しておきます。」と答えるしかできなかったです。



ここで、気になるのがリハビリで「治してもらう」発言。
こう言う患者様多いんですが、実際に治していくのは患者自身。
リハビリ職は基本的にはサポート、誘導、指導です。
実は私も現場にでるまで、リハビリの人が治すと思ってました。
確かに筋緊張の高さなど、リハビリの手技で治せる部分もたくさんあります。
私の頸部リラクゼーションで肩こりがすっかり治った、驚いたと言ってくれる方もいました。

しかし、麻痺の場合、自分の意思で動かさないと随意性は改善しません。
筋力低下があれば、自分で動かすことで筋力が上がります。
失語症の方は自分で聞く、話す等の経験を積まなければならない。
外から脳みそをいじって治すことはできません。
リハビリの人がするのは、動かす前にほぐす、そして動かし方の誘導や指導、介助、会話の誘導などです。
しかも毎日一定の時間リハビリしないと良くならないので、患者自身の努力が必要です。
週一回の外来リハの患者様は、週六回の自主練が必要なのです。
ですが、なかなかそこまで頑張れない人がほとんどです。
こればかりはしょうがないし、無理強いできない。
最小限のリハビリで、最大限の効果を出すように努力するのが私達の責務ですね。



リハビリを受けた方、受けているところをよく見てる方は、自分で治さないといけない、とだんだん気付いてくるんですが、
あまり見学に来てない家族がよく、治して下さい、なんて言っちゃうので返答に困りますね。

はっきり「違います」とも言えませんし(^_^;)

胸式呼吸より腹式呼吸の方が大事?いいえ!そんな事ありませんよ!

「胸式呼吸より、腹式呼吸の方が大事ですから、腹式呼吸を練習しましょう。」

そう言う人が多く、私もそれを信じていた一人です。

元々腹式呼吸タイプの人と胸式呼吸タイプの人、両方のタイプの人がいます。

私は元々完全な胸式呼吸タイプで、声が小さかったです。

STになったばかりの頃、患者さんに腹式呼吸大事ですよ、と腹式呼吸の訓練をよくやってました。

私自身も腹式訓練をしました。
息を吸うときにお腹を膨らませて、吐くときにへこませる、たったこれだけです。

1日に1から2回だったでしょうか、きがついたときにやってました。座位でも仰向けに寝ていても、仕事中でもやってました。

そうして完全に腹式呼吸となるまでに半年かかりました。

それからは声が大きくなりました。
歌も上手くなったような気がします。
楽に声が出せるし、声の質も良くなりました。

それから数年は何の疑問も持たず、腹式呼吸信者でした(笑)
でも20代前半の自分でも半年かかったので、患者さんに習得してもらうのは無理があると思い、訓練で教えることはあまりしなくなりました。

しかしある時疑問に思ったのです。

私は腹式呼吸しかしてない。
安静時も、深呼吸もどちらも腹式だ、胸式呼吸を全然していないぞ!?

使わない筋肉は硬くなる→動かなくなる
というリハビリの基本的な考え方があります。

私の呼吸筋、特に肋間筋は、全く使われていないのではないか!?

それは極端ですが、(疲れて息が上がってるときは自然と胸が上下します)胸式呼吸をほとんどしていない事も良くないのではないか?

また私のSpO2、血中酸素飽和濃度が常に96%しかないのです。
健常者にしてはやや低めです。
腹式呼吸だけでは十分な換気ができてないのか、という疑問も出てきました。


調べていくと、やっぱり胸式、腹式のどちらも大事みたいです。

胸式呼吸は主に肺の上部で酸素交換をする
腹式呼吸は主に下部

胸式呼吸は胸の筋肉を緊張させるので、喉の筋肉にも力が入る→力んだ声や楽な声になりやすい
腹式呼吸は喉に余計な力が入りにくいし、たくさん空気を取り込めるので、大きな声を楽に出せる

声を出す、という観点からは、断然腹式呼吸が向いています。
腹式呼吸が見についている人は、発声時に無意識に腹筋に力が入って大きい声になりますし。
腹式呼吸の方が発声の基礎となる吸気量が多いですし。

ここまでは、今まで言われていた腹式呼吸の重要性です。
しかし、

ふだんの無意識の呼吸は脳幹からの司令
意識して行う深呼吸は大脳皮質からの司令

深呼吸は、体内の酸とアルカリのバランス調節機能が作動しなくなる
「体内の二酸化炭素量が一定に保たれることで、この機能が作動していて、酸性に傾くと酵素の働きが悪くなるなどの影響もあるので、深呼吸は2~3回にとどめた方がいい」

酵素の話が出てくるなんて意外ですね。
酵素はさておき、

ほぼ腹式呼吸だけを行っていると、呼吸筋が硬くなってくるのは確かです。

胸式呼吸の訓練は、胸に手を当てて、吸気時に胸が膨らんでいるか確認しながら行います。

そして大事なのが呼吸筋ストレッチ。

体をねじる、脇腹〜胸の側部を伸ばす、手を広げて胸を広げたり縮めたりなど 

これを楽に息をしながら行ったり、
呼吸に合わせて行う方法もありますね。

それと私が良くするのが、手を頭の後ろで組み、深呼吸をする。これだけです。
これで胸式呼吸になります。



さて、胸式呼吸と腹式呼吸のどちらが大事か?
結論はどちらも大事です。

あくまで胸式呼吸が主、腹式呼吸は補助です。
両方メリットはありますので、
両方マスターしていれば、無意識下で効率よく使い分けているでしょう。

言語聴覚士を目指そうと思ったきっかけ。志望動機は大事?

私は元々心理学に興味がありました。

でも臨床心理士の資格をとるには大学院まで出なければならない、

なのに就職先も少ないし待遇も良くない。

心理学を学んだあと、臨床心理士の資格を取らずに普通に文系卒として就職するのか?
それも就職に困る!
私が高校生の頃は就職氷河期に入った頃だったかと思います。
新卒就職率が年々低下している、そんなニュースを見ながら、手に職を!子育てが終わってから再就職しやすいように、資格を!と思っていました。

完全に「不安」が原動力になるタイプの性格ですね(笑)


そんな状況の中、高校生向けの職業の本をパラパラとめくっていたら、あったんです。
言語聴覚士
初めて聞くなー、なんだろう?と思ってみてみると、
学ぶ学問、関連ある学問一覧に
「心理学」
があるではありませんか!
しかも、言語聴覚士さんが白衣で臨床をしている写真!!お〜!!かっこいい☆

それを発見した衝撃は今でも忘れられません。

もう即決でした!


ちょうど「オレンジデイズ」だったかな、妻夫木聡さんが出るドラマで、作業療法士になるストーリーだったため、高校3年生の時の担任に、ドラマの影響でしょ、と言われてかなりショックだったのを覚えています。
勉強ばかりでドラマなんか見てないのに!
作業療法士関係ないじゃん!



その職業を目指す理由って大事なのでしょうか?

うちの病院に実習で来ていたPTの学生が、志す理由の薄さにコンプレックスを抱いていました。。
みんな、スポーツ障害でリハビリを受けて、自分もPTになりたい、自分の身内がリハビリを受けているのを見て私も、などドラマチックな理由が多いんだそう。
その子は手に職を、と思ったのと、やはり職業の本で見つけて…って。

私は、志願動機がなんであれ、なりたいという思いが強ければ、動機はなんでもいいと思います!




大学に入ってから周りの子に志願理由を聞くと、

親がPTで勧められた、
姉が耳鼻科医で勧められた、
この大学に入りたくて色んな科を受験して、ここに受かった
なんとなく病院で働きたかった、夜勤は無理だからST

こんな感じで誰もドラマチックな理由ではなかったです。
さらには
PTかOTになりたかったけど、うちの大学のPTOTの倍率が高すぎて落ちたからしょうがなく。
なんて人も。

私が高校生の時は言語聴覚士なんて、誰も聞いたこともないような状態でしたので、身内がSTリハビリを受けてるのを見て、なんて理由は一人もいませんでした。

最初はなんとなくでも、次第になりたいという思いが強くなったり、働き始めてから、私はこれで良かったんだと、なんだかしっくりくることもあります。

ちなみに養成校での勉強で、STやっぱ合わないかもと思っても、実際に働いてみると、座学とは全然違いますから、STもやっぱりいいかな、と思えたりもします。


STの仕事内容や写真、動画を見て、これになりたい!と思えれば十分な動機です♪

受験の時に志望動機を書く時に、
「STの仕事内容を見て、これになりたいと強く思いました。」そんな内容のことを書いて熱意を伝えるだけでも十分だと思います。
なんなら初めはテレビやドラマの影響でもいいと思います。
それを見て、なりたい!と思えれば十分な動機です。

おっさんずラブというドラマの中で言っていた、「その仕事が好きになって始めるんじゃない、自分の仕事を好きになるんだ」みたいなセリフがあってとても素敵だと思いました。それからは自分の仕事が好きになれるよう意識してみています。


ちなみに大学で、心理学、発達心理学、臨床心理学を少しだけ学んだ感想は…

とっても奥深く難しい。
やっぱり基礎科目の中では一番面白かった。
でもこれ以上は深めなくてもいいや。

こんな感じ。

心理学よりも、脳の局在について学ぶ方が今は楽しいです(^_^;)