脳損傷による末梢性顔面神経麻痺と嚥下障害
橋出血の方だった。
橋損傷で重度の末梢性顔面神経麻痺は約10年のST経験で、おそらくまだ一人しか経験したことがない。(脳腫瘍やオペ後は除く)
急性期、回復期と別の病院でリハを続けてこられた方。うちの通所リハビリに来られて初対面で衝撃をうけた。
口がひょっとこだったのだ。
目はまだほとんど見たことない。眩しさや眼振、複視のためサングラスをかけたままだからだ。
今までどんなリハビリをしてたか聞くと、なんとブローイングを一番頑張ってたと。しかも健側を抑えずやってたと言う……(゚Д゚)
そりゃーひょっとこになるわー!正直呆れてしまった。市内有数のリハビリ病院だった。
さぁ、週1回20分何をするか。
今は胃ろうなので嚥下を改善させたいが、本人も周りも消極的だ。
構音、顔面をやっていくか。
末梢性だとわかれば、必ず健側を抑えてやらないといけない。そして患側の他動自動運動。
舌も抵抗運動など行う。構音訓練を少ししたらもう時間だ。
20分じゃ評価も十分にできないから、訓練しながら少しずつ評価していく。
顎関節症にもなっているので、OTに顎関節のモビライゼーションを依頼した。
すると数回で開口範囲拡大してきた。
OTに負けてられん(・・;)
脳幹損傷でも、リハビリのオーダーが出る顔面神経麻痺はほぼ中枢性麻痺だ。延髄に核のある舌下神経麻痺でおこる舌萎縮なんて見たことがない。救急には来てるんだろうが、リハビリ云々の前に救命ができるかどうかのレベルか。
脳幹損傷でも、意識障害が回復すれば、口から食べられるようになる事が多い。
上記のような方ほど重度例は稀だが、
後々は、口から食べられるようにお手伝いさせていただきたい。