おばちゃん言語聴覚士のボケ予防日記

脳機能、認知症予防について興味津々なおばちゃん言語聴覚士です。急性期脳外科、通所リハビリを兼務してます。まだまだ勉強中の身ですが、一般向け、同業者向けの記事、育児、家事も書くかも。コメント大歓迎です☆

現食事形態で、いつまで保証できるか

例えば当院で毎日リハビリをして、嚥下障害が少しは残るけど、トロミ無しまで回復しました、だけど、家に帰ったらほとんど運動や口の運動をしないため、退院後半年で誤嚥性肺炎になりました、
みたいなケースは多いと思う。
入院中はその食事形態で肺炎や窒息には至らなくとも、退院後リスクが上がることは普通に考えられる。
他の疾患や風邪なんかをきっかけに抵抗力、体力が落ちて、誤嚥性肺炎になる、なんてよくあると思う。
もちろん加齢もある。
入院時が80歳だとして、5年後はそれなりにリスクが上がっている。
何年後まで見通して食事形態を決めるか、
というのは非常に難しい問題だと思う。

本人や家族には、退院時になるべく説明をしている。
現在は大丈夫だけど、今後体力や抵抗力が落ちた場合に、誤嚥性肺炎に至る可能性はあります、他の病気になった時などは、適宜トロミを付ける、柔らかいもの中心に食べる、などの対策が必要になります。
わからない時はかかりつけ医に相談するか、私まで問い合わせ頂いても大丈夫です、と。
しかしここまでしっかり理解して、さらに今後も覚えておける人はほとんどいない。

前に一緒に働いていたSTで、85歳以上はみんなトロミを付ければいい!と言ってたSTがいた。

安全第一?だけどQOLも大事。

たとえ100歳であれ、トロミ無しで飲める人は飲ませてあげたいし、飲むべきだと思う。
一日数回むせたって、喀出力があれば大丈夫。

患者さんから、「病院の言う事は聞かない、自己責任でトロミなしを飲む!」
と言ってこられる場合も多々あるし、自分が高齢になった時にもそう言うかもしれない。

安全のために生きる喜びを半減させてしまうのはよくない。

それで、退院後いつまでを見込んで食事形態を決めるか。
私はなんとなく半年〜1年かなと思っている。