おばちゃん言語聴覚士のボケ予防日記

脳機能、認知症予防について興味津々なおばちゃん言語聴覚士です。急性期脳外科、通所リハビリを兼務してます。まだまだ勉強中の身ですが、一般向け、同業者向けの記事、育児、家事も書くかも。コメント大歓迎です☆

モンペならぬモンスターファミリーが増えてきているように思う。。そして「リハビリで治してもらう」発言について

モンペとは、以下ウィキペディアより。

モンスターペアレント、またはモンスターペアレンツとは、学校などに対して自己中心的かつ理不尽な要求をする親を意味する。元小学校教諭の向山洋一命名したと称する。略してモンペア、モンペともいう。

だそうだが、病院でもモンペみたいな家族に出会う事が増えたように思う。
モンペ世代が介護世代へ突入か?
モンペならぬモンスターファミリー、つまりモンファとでも呼ぶべきか。


昨日は、通リハに通う利用者の妹から、一方的にこんな事を言われた。
しかも初対面でいきなり。

・書く練習とか意味がない。
・生活の中で曜日や時間を間違えるのが問題だからそこを治してほしい。生活に関係ない言葉を練習しても意味がない。
・家で使える曜日などのコミュニケーションカードを作ってほしい。
・外出先で知らない人に間違った言葉を話してるので、外出先で使えるカード、または私は言葉の障害があります、と書いたカードを作ってほしい。
・あなたは失語症を治すことが仕事
・前の病院で外来リハを受けていたけど、1年ごとに練習内容が一巡してまた戻る。それは成果が出てない。


…開いた口が塞がりませんでした。
てか前の病院の話やこ関係ないがな。

とりあえず、何故現在のリハビリをしているかを丁寧に説明しました。曜日や時間だけ練習してもダメな理由も。
そうしたら、「神経内科の先生から、ブローカとウェルニッケの両方の症状が出るところに脳梗塞ができてるっていう話は聞いたんですよね。」

…うーん。話が通じない。あえて話をそらしてるのか、真剣にそんな返答をしているのか?
「は?あなたが言語リハビリ受けたら?」
って言いたくなる口を我慢して閉じて、「コミュニケーションカードに関しては検討させていただきます。」と微笑んで、その場をあとにしました。


ついこないだも、退院したばかりの患者の娘から、私に対してではなく病院全体のクレームを次々と怒り口調で言われました。そして、「とにかくこちらで言語リハビリを外来でできるようにお願いします。失語症を治してもらわないと困る」と。
いやいや、あなたの父親はリハビリには非協力的で、間違えると怒鳴り散らしたり、リハビリ自体拒否をしたりすると、入院中に話したでしょう?
そのような状態で外来リハなんて無理でしょう、と思いながらも、「はい。リハビリの日程は後ほど相談しましょう。先程の話は病院内全体で共有しておきます。」と答えるしかできなかったです。



ここで、気になるのがリハビリで「治してもらう」発言。
こう言う患者様多いんですが、実際に治していくのは患者自身。
リハビリ職は基本的にはサポート、誘導、指導です。
実は私も現場にでるまで、リハビリの人が治すと思ってました。
確かに筋緊張の高さなど、リハビリの手技で治せる部分もたくさんあります。
私の頸部リラクゼーションで肩こりがすっかり治った、驚いたと言ってくれる方もいました。

しかし、麻痺の場合、自分の意思で動かさないと随意性は改善しません。
筋力低下があれば、自分で動かすことで筋力が上がります。
失語症の方は自分で聞く、話す等の経験を積まなければならない。
外から脳みそをいじって治すことはできません。
リハビリの人がするのは、動かす前にほぐす、そして動かし方の誘導や指導、介助、会話の誘導などです。
しかも毎日一定の時間リハビリしないと良くならないので、患者自身の努力が必要です。
週一回の外来リハの患者様は、週六回の自主練が必要なのです。
ですが、なかなかそこまで頑張れない人がほとんどです。
こればかりはしょうがないし、無理強いできない。
最小限のリハビリで、最大限の効果を出すように努力するのが私達の責務ですね。



リハビリを受けた方、受けているところをよく見てる方は、自分で治さないといけない、とだんだん気付いてくるんですが、
あまり見学に来てない家族がよく、治して下さい、なんて言っちゃうので返答に困りますね。

はっきり「違います」とも言えませんし(^_^;)