傍から見てて問題ないのに、患者様が喋りにくいと言う場合
脳卒中後の患者様限定の話になります。
客観的評価、主観的評価どちらでも問題は見当たらない。
でも患者様はとても喋りにくいと言う。
喋りにくさの程度はさておき、時々遭遇します。
私が考えるその原因は以下の2つ。
①深部感覚、(表在感覚)の低下、または異常感覚がある。
表在感覚は評価でわかることもあるのでカッコで書きました。
深部感覚の低下があると自分の舌や唇がどこにあるか、どう動いているかわからないから、喋りにくい。
表在感覚の低下があると、舌と口蓋、唇と唇があたってるはずなのに、その感覚が薄くて違和感がある。
②ごく軽度の口腔顔面の運動麻痺があり、正常範囲内だが病前に比べると筋力が少し落ちている。
そもそも筋力は通常の臨床では主観的評価となってしまいますので、評価自体が曖昧ですが。
他にも考えられる原因があるかもしれません。
知ってる方、考察がある方、是非教えて下さい。
※※※
私が担当した中で最もひどかったのが、左内包あたりの損傷だったと思います。(当時脳画像は見れなかった)
50代の社長さんで、大勢の社員の前でよく喋っていたそう。
高次脳機能障害なし、
右上下肢の麻痺は中等度あり。
嚥下障害はなし。
口腔顔面、構音の評価は問題なし。(一部主観的評価あり)
本当に明瞭でした。
家族が聞いても、喋りは元に戻ったというのに。
その方はすごく喋りにくい、一生懸命喋っているからやっと伝わるんだと言っていました。
じゃあ気を抜いて喋ってみて、と言ってもやっぱり普通の人が気を抜いて喋った感じ。
経験年数の浅かった私は原因がわからないまま、通常の構音の訓練をしてました。
こういう時は本当に申し訳ないし、勉強が足りないと思う。
でも調べてもわからないことの、多いこと多いこと(泣)
その後徐々に自分の中で見つけた答えは、
上記の①と②の両方かな、と何年もたってから考えています。
当時脳画像が見れなかったのですが、視床など、感覚に関する部位、神経が損傷を受けてた可能性は否定できません。
また、もともと舌の筋力も高い方だった、麻痺によって少し筋力が落ちたところで、筋力はまだ正常範囲内。
2つの原因が合わさり、強い喋りにくさをきたしている。
評価も曖昧な上に考察まで曖昧(泣)
まだまだ勉強せねば。