おばちゃん言語聴覚士のボケ予防日記

脳機能、認知症予防について興味津々なおばちゃん言語聴覚士です。急性期脳外科、通所リハビリを兼務してます。まだまだ勉強中の身ですが、一般向け、同業者向けの記事、育児、家事も書くかも。コメント大歓迎です☆

唾液の不顕性誤嚥の評価方法はあるか

夜間、寝ている間の唾液の不顕性誤嚥が多いというが、その評価方法は、無い。

もしあるのなら、本気で教えてほしい。

覚醒時、食べ物や飲み物の誤嚥、不顕性誤嚥があるかどうかはVF(嚥下造影)で検査できる。
が、
覚醒時の唾液の不顕性誤嚥は、おそらく検査しようがない。
バリウムなど造影剤を交ぜている時点で純粋な唾液ではなくなるし、唾液を誤嚥するまで被爆させるわけにはいかない。

(特に明け方の)痰がひとつの指標にはなるが、痰はその他の病気でも出る。

患者さんの中に、食べ物や飲み物では誤嚥しないが、唾液でのみ誤嚥する方が、おそらくいる。
いくら食べ物、飲み物の食事形態を変えても、食事方法を工夫しても、唾液を誤嚥して誤嚥性肺炎になってしまってはその工夫が無駄になってしまう。

例えば、
薄いトロミでは誤嚥性肺炎になったので、中間とろみに下げましょう、と言って下げても、本当は唾液誤嚥による肺炎で、薄いトロミはノーリスクという場合もある。


唾液の不顕性誤嚥、特に、夜間の唾液の誤嚥が多い事は、嚥下の教科書でも当たり前のように書かれている。
若い健常者でも、それはあるというのだ。
抵抗力があるから肺炎にならない、と。

だが夜間の唾液誤嚥をしても抵抗力で肺炎を防げるかどうかの評価方法もない。
抵抗力があるかどうかは、SPO2などのや体力、筋力などを総括して考えるが、はっきり言って勘でしかない。

誤嚥性肺炎になっても、その後普通食が食べられるまでに回復することは多い。
意識障害や、他の病気で抵抗力が落ちてしまったせいで、誤嚥性肺炎になったケースである。
胃カメラ後に咽頭麻酔のせいで誤嚥性肺炎になった方もあるが、もちろん普通食まで回復する。


実際に患者さんが、誤嚥性肺炎になってしまった(診断も難しいと思う)、とかVFで誤嚥や不顕性誤嚥を認めました、等の場合に、家族や本人に嚥下障害があります、食事形態等を工夫しましょう、と説明するのだが、それが唾液誤嚥の可能性もあることを説明する医療従事者はあまりいない。

ひっくるめて、嚥下障害、ということだ。


食事形態の調節って、非常に難しい。
上記のことを考えながら、毎日のように食形態変更を余儀なくされる場合、VFはする時間もなく、結局はむせるかどうか、で形態が決まることが多くなってしまっている。