おばちゃん言語聴覚士のボケ予防日記

脳機能、認知症予防について興味津々なおばちゃん言語聴覚士です。急性期脳外科、通所リハビリを兼務してます。まだまだ勉強中の身ですが、一般向け、同業者向けの記事、育児、家事も書くかも。コメント大歓迎です☆

ST介入すると食事形態が下がる。

ナースが食事形態を決める時は、やや攻め気味と思う。
つまりSTから見るとリスクがあると思っても、ナースはリスクはないと思っている。こんなケースは非常多い。
たまに若いナースだと、こちらから食べていいですよと言うと驚かれることもあるが、そういうことは実際少ない。

ナースが形態を決めると、責任の所在が曖昧である。毎日どころか半日で担当ナースは変わるし、記録に残らない。その後、その患者さんが誤嚥性肺炎になっても、誰も責められない。
もちろん、食事形態だけでなく、唾液の不顕性誤嚥による肺炎もある、いやその方が多い。

しかしSTが形態を決めると、記録に残る。
もし肺炎や窒息を起こせば責められる、かもしれない。
実際に一年目のSTが形態を決めて、その患者さんが窒息を起こした後大問題になった。アクシデントレポートを書いただけではすまなかった。
いやいや、介助者にも問題があるよね?等言いたい所は多々あるのだが、ナースからの圧力に屈してしまった。



特に、食事を開始する時は非常に判断が難しい。
経鼻経管チューブがしばらく入っている。
その状態で評価しても、食道の直径の大部分をチューブが締めていると思うと、チューブのせいで嚥下しにくいんじゃないかと疑ってしまう。
また、軽く咽頭喉頭がゴロゴロしていても、嚥下反射が起きていれば、食べれるだろうという気がしたり、毎日座位をとって少しずつでも食べていれば、ゴロゴロがなくなるんじゃないかと思ったり。

残念ながら当院ではVFはハードルが非常に高い。

主治医から、食べ始めて、とゴーサインを出してくれれば、と思うけど・・・たいていSTに丸投げである。

食事開始は、ただ嚥下機能だけでなく、経管栄養で酷い下痢をしている、だとか、家族の強い強い希望、だとか、ナースたちの介助量だとか、転院先だとか、色々な事柄の影響を受けてしまう。

そんなことではだめだよな、もっと理論的に食べられる理由、食べられない理由を説明したいなと思う。
STに嚥下評価を頼むと、形態が下がる、なんて言われないようにしたいものだ。

食べられないはずの人が、食べられるようになれば本望!

食べられるはずの人が食べられないまま終わる・・・そんなことは絶対ないようにしたい。